ワインエキスパートへの挑戦 その4 (一次試験の勉強法 ツールの使い方)

ワインエキスパートの一次試験の勉強法で、私は、道具を使ったほうだと思います。

まずは、i pad

重いソムリエ協会の教本を持ち運ぶことが大変なので、すべてi padに自分でPDFファイルにスキャンニングして、取り込みました。他の参考書もすべてやったので、勉強するときやスクールに行くときは、i padだけを持っていくという状態にしました。現在は、ソムリエ協会は電子教本をだしていますが、私の試験時点は、i padに対応していなかったので、自分ですべてスキャンすることをやりました。

使えるアプリ

i padのアプリで、「グッドノート」というアプリがあって、PDFにした参考書や教本はこのアプリで開きました。このアプリは、普通の紙と同じようにアンダーラインを引いたり、マーカーで色を塗ったり、書き込んだりできるので、電子本の欠点を解消してくれました。

i phone

i phoneもかなり活用しました。まずは、単語帳アプリ、紙の単語帳と同じように、めくって覚えていけるので、仕事の合間の切れ端の時間を有効活用できます。それから、音声録音アプリ、ゴロ合わせ暗記とかボルドーの格付けとか、丸暗記したいものを自分で吹き込んで、朝わんこの散歩のときに聞いていました。

ノート

暗記用のまとめノートは、i padにそのまま取り込めるタイプのノートを使いました。コクヨから出ているスマートフォンに取り込めるノート「CamiApp」 を使って、手で書いたノートを写真でそのまま取り込めます。

筆記用具

筆記用具は、万年筆にこだわりました。勉強が楽しくなるためです。私は、プラチナ万年筆からでている#3776 CENTURY ブルゴーニュを使いました。

使えるサイト

アカデミー・デュ・ヴァン がやっている「ワイン受験.com」は利用しました。なんども、模擬試験をすることができ、自分がどの範囲が覚えていないのかよくわかります。なんどもなんどもここで問題を解くことができるので、非常に便利でした。

 

 

ワインエキスパートへの挑戦 その3 (一次試験の勉強法)

さて、イタリアまである程度覚えたら、つぎは、ドイツです。

私の場合、最初に一次を受けたときは、ドイツに関しては、畑の名前は一切覚えませんでした。そこかわり法律や13地区の名前と特徴など基本事項に絞って覚えるようにしました。

これは、結果正解だったと思っています。よほど余裕のあるかたは別として、全部を覚えにいくとどれも中途半端な知識になってしまい、実際の試験になると点がとれません。覚えるもの、捨てるものをはっきりさせるのも試験のコツだと思います。

まるごと捨てても受かると思うもの、ドイツの畑の名前、ボルドーの格付、ロワール、フランス・イタリア・ドイツ・スペイン・オーストリア・ポストガル以外のヨーロッパ産地など

ちなみに、個人的にはボルドーの格付けは覚えたほうがよいと思ったので、覚えました。100問の中で一~二点は取れます。

ドイツは、畑を捨ててしまえば、あとはそんなにややこしい地区ではないと思いました。

次に、スペイン・ポルトガルですが、こちらは浅く広くで大丈夫なので、そんなに苦労しませんが、酒精強化ワインについてはきちんと把握しました。

その他ヨーロッパの中では、オーストリアとハンガリーとトカイワインだけは覚えたほうがよいように思いました。

次にアメリカ・カナダですが、このエリアは産地についてはきっちり覚える必要がありました。特にアメリカについては地図は頭に入れたほうがよいと思います。

アルゼンチン、チリは、浅く広く、オーストラリア、ニュージーランドでは、やはりオーストラリアはちょっと深く覚えておいたほうがよいと思い覚えました。

あとは、南アフリカはさらっと、日本は歴史も含めて統計数字も含めて比較的しっかりやる必要があったと思います。

あとは、エキスパートの場合はワインと料理は覚えておいたほうがよいと思います。

私の場合、ワインと料理はほとんど捨てて覚えなかったので、このへんの問題では点数を落としました。

一次試験の必勝法はありませんが、覚える範囲と覚えない範囲を決めて、覚える範囲はとことん覚えるのがよいと思います。

 

 

ワインエキスパートへの挑戦 その2 (一次試験の勉強法)

ワインスクールをきっかけに受験を目指したのですが、なにしろワインにはまってから1年たらずの状態だったので、授業についていくのは当初結構大変でした。

ぶどう品種についてでも、シャルドネ、カベルネソーヴィニオン、ピノノワール程度しか知識がない状態だったので、授業にでてくる単語の意味を覚えることから始めたという感じでした。

独学であれ、スクールであれだいたい学ぶ順序は同じような感じだと思います。最初に、お酒全般の種類についてとか、ワインの作り方について、ぶどうの病気について、世界の生産量などを勉強します。

最初の難関は、ぶどうのシノニムです。シノニムというのは、ぶどうの別名のことで、たとえばフランスでピノノワールとよばれているぶどうでも、ドイツに行けば、シュペートグルグンダーと呼ばれ、イタリアに行けばピノネロと呼ばれたりします。このシノニムは結構たくさん覚えなければいけないぶどう品種があって、実際飲んだことがないようなぶどう品種の色々な呼ばれ方丸暗記しなくてはならないのは、結構つらい作業になりました。この暗記については、ゴロ合わせや何度も口で言うなどの方法が有効的だったように思います。

次に、フランスの概論を勉強します。ここは、おおざっぱにフランスのワイン産地の地図を頭に入れて概算の数字を覚えます。つぎにボルドーを勉強しましたが、これが次の山でした。ボルドーはワインに格付があり、しかも色々な地区でそれがされているので、それを地区ごとにまた何級なのかを覚えなければなりません。その当時あまりボルドーを飲んだことがなかったのでこれまたイメージがわかなくて暗記するのが大変でした。

次には、ブルゴーニュの村名やグランクリュ、有名なプルミエクリュなどを覚えなければいけません。フランスは、ボルドー、ブルゴーニュは最重要なので、極力時間を割きました。

他の産地(ロワール、ローヌ、アルザス、ラングドック・ルーシオン、シャンパーニュ、ジュラ・サボア)なども、きっちり覚えます。スクールの先生によっては、地区によって対してでないからここは飛ばしてもよいと言われる場合もあります(たとえばロワール)。

個人的には、フランスでは飛ばさないほうがよいように思います。それよりドイツとかのほうが大変なので。

まずは、耳なれないフランス語に慣れるように、書いて覚えました。最初から、アルファベットで書くとよけいに苦手意識がでるので、最初は、カタカナで書いて覚えていきました。

ソムリエ協会の教本だと、フランス語で最初から表記されていたり、覚える範囲が限定されないので、独学で勉強される方は、参考書を買ったほうがよいと思います。

おすすめは、

30日間ワイン完全マスター (Winart Book) 塚本悦子書

ワイン受験講座 矢野 恒/アカデミー・デュ・ヴァン 書

基礎から学ぶ田辺由美のワインブック 田辺由美のWINE SCHOOL、 田辺 由美書

あたりがおすすめです。(必ず、最新版を買ったほうがよいと思います)

それと同時に、

日本ソムリエ協会教本―ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート テキスト編集委員会 を併用して、重要な範囲は教本で勉強するようにしました。

また、もっとも大切なのは地図です。

カラー版 ワインの地図帳―産地の基本を地図から学ぶ (Winart Book) 塚本 悦子 書

が一番わかりやすいと思います。

地図を覚えるのは、自分で地図を書いてみるのが一番なので、白紙に地図を書いて覚えるのがベストです。

フランスの勉強が終わったら今後は、イタリアにはいるのですが、近年イタリアの問題の比率が上がってきていますので、イタリアは完璧にしておいたほうがよいと思います。

イタリアの覚え方は、まず最初に地図上の州と州都を完全に覚えることだと思いました。

その上で、歴史、DOCG,DOCを覚えていきますが、私の場合2010年時点のDOCGから2012年時点のDOCGの数が大幅に増えていて、びっくりしました。あまりに増えたために試験では有名ではないDOCGはでない可能性もでてきましたが、私は全部覚えておいたほうがよいと思ってこのへんは地図といっしょに覚えていきました。近年イタリアは地図がでていますので、地図と品種とDOCGやDOCはワンセットで覚えておいたほうがよいと思います。

次につづく。。。。

 

ワインエキスパートへの挑戦 その1 (ワインエキスパートとは?)

今年やっとのことで、日本ソムリエ協会の主催するワインエキスパートに合格することができました。

挑戦しはじめたのは2010年、一次試験を受かるものの二次試験を二回落ちてしまい、2012年の今年、もう一度一次試験を受けて、なんとか二次試験にも合格して受かることができました。

その間、多くの同じようにソムリエ試験、ワインアドバイザー試験、ワインエキスパート試験を受けておられる、ブログの記事を読んでとても参考になりました。ブログをされている方は一発合格の方が大勢いますが、私は三度の試験をした経験を同じように苦労されている方に読んでいただければと思いブログに書きとめておきたいと思い記事をかかせていただきます。

まずは、試験についての説明です。

日本ソムリエ協会の行っている資格試験は、ソムリエ、ワインアドバイザー、ワインエキスパートの3つとその上位資格としてシニア資格があります。

ワインについての検定試験は、他にも色々な団体がされていますが、日本において一番メジャーなのはこの試験だと思われます。

ソムリエは、飲食店の勤務経験が指定の年数がある方でないと受験資格がありません。一次試験の問題はほかの資格とほぼ同じで、数問変更になります。二次試験では、実技試験(実際のサービス試験)とテイスティングがあります。

ワインアドバイザーは、酒販店、お料理教室の先生など飲食店以外のワインに関わる仕事をされている方を対象とした資格で、こちらも指定の勤務年数が必要になります。一次試験は一部を除きソムリエ試験と同じ問題、二次試験では口頭試問(実際の酒販店での接客試験)とテイスティングがあります。

ワインエキスパートは、上記二つにあてはまらない人が受ける資格で、年齢制限以外の制限はありません。一次試験はソムリエ試験と一部の除いてほぼ同じような問題。二次試験はテイスティングがあります。

それぞれの試験は、国家資格ではありませんので、資格を持っていればなにができるというものではありませんが、ワインを扱う仕事をされている方は、持っておいたほうがよい資格です。ワインエキスパートに関しては、ほとんどがワインを趣味とするかたで、目的はワインについて勉強したいという方が多いです。

私は、2010年にワインが好きだったので、興味本位でワインスクールに行ったところ、そこが試験対策の講座だったので、なりゆき的に受験することになりました。

正直、スクールに行き始めたころは、ここまで苦労するとは思いもしませんでした….次につづく

 

 

ワインエキスパートへの挑戦 その5 (二次試験の勉強法)

ワインエキスパート試験に私がもっとも苦労したのが、二次試験でした。

二次試験は、二度も落ちるという残念な結果でしたので、ブラインドテイスティングについては本当に苦労しました。

苦労した上で、私なりに思ったこと書いてみたいと思います。

スクールの講師の先生が、たとえばシラーは、黒こしょうの香りがするとい言われても、自分が感じることができなければ、絶対にわからないのです。

たいていの場合、後で、黒こしょうの香りを探してみれば、「たしかに黒こしょうのかおりがする」と思うのですが、いざブランドで出されるとその香を感じとれないことがあるのです。

つまり、その品種特性の香りを探しにいかなければいけないとずっと思っていました。しかし、探している香がしないとその品種ではないと思ってしまい失敗するケースが非常に多くありました。

事実、二次対策講座には、かなりたくさん参加しましたが、その日によって結果がばらばらなのです、ほとんどの品種が当てられるときもあれば、ぜんぶ外してしまうことがあるのです。

過去二回落ちた試験では、どうしても自分の探している香がとれなくて、結果あてずっぽうで書いてしまい失敗を繰り返してしまいました。

香については、言語がそのまま自分に当てはまらないことがあります。たとえば、この品種はオリーブっぽい香りがすることが多いと言われても、自分の中のオリーブの香りと講師のかたが言っている香が同一とはかぎりません。

ですから、自分の中の香りを自分なりに探して判断基準を作らないといつまでたっても当たったり、はずれたりという感じになってしまうように思います。

たとえば、ソーヴィニオンブランの香りは絶対にわかると思っていても、ちょっと違う作り手だったり、場所が違うワインだったりすると、自分の中のソーヴィニオンブランの香りではないと判断してしまうことがあるのです。

そこで、多くのブラインドテイスティングをしながらも、分析力を高めていかないといけないと思いました。

外観から得られる情報、香から得られる情報、味わいから得られる情報を総合的にみて判断しないといけないということです。

私もまださっぱりできませんが、多くの経験を体系的に自分の中に蓄積する必要があるように思います。

試験対策としては、基本三品種と呼ばれている、白ならシャルドネ、ソーヴィニオンブラン、リースリング、赤ならカベルネソーヴィニオン、シラー、ピノノワールはわかるようにしておくのが基本になります。

そのために、色々な品種を飲むのではなく、この三品種の国別の特徴を含んだ特徴を自分なりに分析できるようになるのが合格の近道かもしれません。