八ヶ岳南麓には、今高速道路建設反対の立て看板やステッカーがたくさん張ってあります。
これは、中央自動車道の長坂周辺と八千穂間を結ぶ中部横断自動車道を建設するのに、八ヶ岳南麓を通る計画があり、自然への影響や景観が悪くなるために反対しているものです。
長野の南佐久の人からみれば、レタスの輸送が便利になる、救急車両が早くいける、観光にメリットがある、などの意見もあるなかで、もともとバブル時代に計画されたこのような計画を推進しようと国はしているようです。
しかし、八ヶ岳南麓の自然が好きで、拠点を持った私のような人にとって、とんでもない話です。
そもそも、これからますます人口が減っていくこの国において、新しい高速道路がこれ以上必要とはまったく思えません。ただでさえ、財政破たんしかかっているこの国で、そのような支出をする余裕があるとは思えません。
そんな状況の中、中央自動車道の小仏トンネルで痛ましい事件が起きました。原因は、築35年以上たったトンネルの老朽化によるものです。いままで作った道路のメンテナンスで、かなりの予算が今後必要となってくるなか、これ以上の高速道路はまったく不要だと思います。
今後の異常なスピードで進む人口減の社会を考えれば、今何にお金を使わなければいけないのか、少なくとも便利になるというだけの公共事業は不必要だと思います。
八ヶ岳の自然は、本当に素晴らしいです。そんな場所にこれ以上高速道路は本当にいらないと思います。なにもかも、便利にすればいいという時代は終わりにしたほうがいいと思います。
テレビが映らない、携帯が入らない、道路が細くて時間がかかる、だからこそいいところも沢山あると思います。自然は一度壊してしまったら、元に戻すのは大変です。建造物は何であれ、作れば、そのメンテナンスにまたお金が必要になります。今後、ますます人口が減って、税収は下がっていきます。それを前提にすべての計画を見直さないと、私たちの子供の時代に大変なつけを押しつけることになってしまいます。