久々に目からうろこの本に出会いました。
それは、算数塾講師・宮本哲也氏の書いた「強育論-The art of teaching without teaching-」です。
宮本哲也氏という名前に初めてであったのは、TV番組情熱大陸です。
実は、以前より子供が同氏の「算数パズル」をやっていたんですが、著作者までは意識していませんでした。
TV番組情熱大陸では、
「FAXのみの先着順で20名だけを入塾させている、それでも最終在籍生徒の約85%が開成、麻布、栄光、筑駒、桜蔭、フェリスといった名門校に進学」
「問題は自分で作成し、難易度が高いパズルを考えるときは大音量でヘッドフォンでロックを聴きながら作る」
「塾は、質問禁止。そのクラスで一番できる子が飽きないペースで進める」
などの特徴が紹介されていました。
いままでの一般的なよい塾の概念「面倒見がいい塾」=「よい塾」を完全に打ち壊すものでした。
確かに私自身もいくら塾にいっても、補習しても、成績が伸びなかったのに、ある日予備校にいったとき授業が面白くなり、自分から「学びたい」と思ったときにいきなり成績が伸びた記憶があります。
そこで、同氏の書いた「強育論-The art of teaching without teaching-」を読みました。
これは、本当に目からうろこが落ちる思いで読みました。
子育てしている全ての親御さんたち
現在、教壇にたっている教師や講師
そして、経営者や後継者を指導しなければならない立場にいる人にも
一度は読んでみてと言える本だと思います。
ただし、実践するにはかなりの覚悟が必要です。
自分の子供が勉強せずにゲームばかりしているとき、「勉強しなさい」と言わないで我慢できる親はなかなかいない気がしますし、問題が分からずに「この問題教えて」と聞きにきた子供に対して「答えがでるまで自分で考えなさい」といえる人もかなりの勇気がいります。
子供を「見張る」のではなく「見守る」ことが大切と同氏はいいます。
とても大切な言葉です。
同書を深く読んだら、「本当の愛情」とはなにかについて考えるきっかけになると思います。
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話は少し横にそれるのですが、今政治の世界では「再チャレンジ」だの「格差是正」だといっていますが、まさにこれは「クラスの一番低いところにあわせて授業しましょう」と言っている状態になる危険をはらんでいます。できない子供を救うのに出来る子にはがまんしてもらいましょうということと同じです。結果できない子ができるようになるわけでなく、全体のレベルが落ちていきます。できない子はより、「与えてもらう」ことだけを求めて甘えてしまいます。それよりも、今の日本は各分野の優秀な人がもっと優秀になるように後押しする政策をすべきです。世界で通用する人材がでてくるようになれば、社会全体のレベルも必ず引き上がりますし、愛国心教育なんていってなくても、自然に日本を誇れるようになります。日本の国の指導者たちも宮本先生の「強育論」を読んでほしいですね。特に文科省のかたたちには。